35日目(2014年10月6日)
LugoからSarriaまで移動のみ。(巡礼外:ダナちゃんを迎えにいっただけ)
日本からダナちゃんが到着!明日からゴールまでを共にします。
交通の便が整っていない田舎で人を待ち合わせるのは至難の技。
昨日、いろいろ画策して万全に整えたはずだったのに、バスの到着時間が予想以上に遅れて、乗り換えに失敗。次のバスまで4時間まちぼうけ。幸いカフェがあいていたので、お互いの近況報告(会社のあの人はどーしたこーしたとか)やらスペインの周辺観光に話に花を咲かせる。
その後、バスでサリアに戻り、アパートでダナちゃんは睡眠。私はビールを飲みに町へ。
ダナちゃんはここに来るまで相当仕事を頑張り、相当睡眠時間も削ったようで、死んだように眠る。夕飯は一緒に食べるから起こしてくれ、、と言われて、声をかけたけど、起きない。
まぁ、いいさ、いいさ。ここから長いからね、とまた一人でビールを飲みにでかけた。
ホテルに戻る途中で泊まっているホテルのオーナーと偶然会ったので、ホテルまで送ってくれるというありがたい申し出をうけた。
以下、車内の(どーでも)いい会話。
オーナー:あのさ、電話ではさ、朝7時に到着するっていったよね。僕さ、起きてまってたんだよー。
私:あ、ごめん、ごめん。”ついたら電話して。鍵あけに行くから”って言ったから、気にしてなかった。実はさ、バスの乗り継ぎがうまくいかなくて、1本あとのバスに乗ったので、到着が遅れたんだよ。でもさ、そもそも、バスの運行計画がナイスじゃないと思うんだよね。
・・・と彼にとっては興味ないことと知りつつ、自分の苦労をしゃべり続けた。
だって、私は誰かに言いたかった!嘘をついてまで”頑張ったこと”を。
早朝4時。私はバス停で、ダナちゃんを待っていた。ダナちゃんが着いたら、すぐに、彼女を連れて次のバスに乗っかるためだ。スペインのバスの乗り換えは難易度が高く、しかも時間がないので、もたもたしている暇はない。このミッションを遂行するのは、着いたばかりのダナちゃんには難しいかな、と思い、私が迎えにいったのだ。
しかし、バスのタイムテーブルによると、ダナちゃんを乗せているバスは、乗り換えバスの5分”後”に到着する。だから、乗り換えバスの運転手さんに交渉して、5分!たった5分なので、待っていておくれ!と交渉しようと考えた。
とはいえ、バスのスケジュールもあるだろうから、5分まってくれ、、だけでは、説得力がない。やはり”理由”が必要だ。しかし、それをスペイン語にできる文章能力は私にはない。
そこで、私は考えた。
ダナちゃんを年老いた母にしてしまおうと。
文章にするとこうだ。
運転手さん、すみません、5分まってください。
私の母がのったバスがあと5分で到着するから。母は、このバスに乗らないとならない。私の母は日本人だ。そして、私の母は年寄だ。
こう言えば、待ってもらえそうじゃありませんか?
しかも、このくらいのスペイン語だったらできる。
よし、これでいこう!
ちょっと口の中でモグモグ言って・・
乗り換えのバスの運転手さんがエンジンをかけたところに行き、先ほどの作り話をした。スペイン語が通じて、そのバスの運転手はきっかり5分(だけ)待ってくれた。
しかし、5分たっても、ダナちゃんを乗せたバスは来なかった。
そのバスの運転手さんは「ごめんね、もう行くね」とぶいーんと行ってしまった。そして、そのバスが行ってしまった5分後にダナちゃんを乗せたバスが到着したのだった。あああ、10分、と言えばよかった!
ホテルのオーナーは、このどーでもいい話をふんふんと聞いてくれた。そして、最後に言った。
「そうか、大変だったんだね。ところで、君はお酒を飲むかい」
・・え?この話の流れでナンパかよ?
と思ったら、さにあらず。
「いろいろ苦労して疲れているだろうから、滋養強壮にいい薬草酒を部屋に持っていってあげるよ。その友達の分もね!」と、これを持ってきてくれた。
いい人やった♪
これをグビっと飲んで、明日からのカミーノに向けて寝てしまおう!