34日目(2014年10月5日)
Samos→Sarria(Lugo):(12キロ歩行)
明日の早朝4時に日本から友人のダナちゃんがやってくる!
大陸スペインのド田舎まで来る為には複数の交通機関を使わないとならず、日本のようなわけにはいくわけもなく、時間を合わせて合流するにはハードルがあるのだ。
ゆえに夫と合流する時と同様に緊張して朝からそわそわ。
ダナちゃんにはとにかく駅に私が立っているので安心して、と言って日本を旅だってもらった。
▶︎ハードルその1: バス
マドリッド国際空港→(バス1)→ルーゴ→(バス2)→サリア
バス1からバス2への乗り換えが難しい。着いたばかりのダナちゃんがいきなり辛い目にあったら、歩けなくなってしまうかも!というわけで、サリアからルーゴまでバスで迎えに行くことに。
サリアは巡礼の「ラスト100キロ」地点。100キロ歩けば巡礼証明書がもらえるので、ここから歩き始める巡礼者は多い。
ダナちゃんはマドリッドから約400キロを長距離バスで移動。ニーズが多いルートと思われるのに、バス1の到着時刻は、バス2の発車時刻の「五分後」。平日は「同じ時刻」につくが、日曜日の明日はなぜか「五分後」。
なぜ!?
つまり、時間通りに事が運べば、バス2には乗れず15時間以上飛行機に乗ってきたダナちゃんはカフェもやってない真っ暗な駅で、次のバスがやってくるまで4時間待ちぼうけなのだ。
そこで、あらかじめ駅に行き、バスの関係者になにか良い知恵はないかと相談してみることに。ちなみにバス1とバス2は別会社。
●バス1の関係者→そんなこと、知らないね。
●バス2の関係者→誰もいない。
●インフォメーションのおばさん→あら、バス1の到着時刻とバス2の発車時刻は「同じ」だから大丈夫よー。・・・いや、それは平日でしょ・・日曜日は時刻が違うんだよ。
でも、なんか大丈夫な気がしてきた。だってラテンな国だから。
▶︎ハードルその2:私のホテル
バス1の到着駅周辺にはホテルがない。交通機関が動いていない朝4時に駅にいるには、その駅周辺のホテルに泊まるしかない。ネットで検索すると一泊200ユーロのホテルを発見。パラドールより高い…。他に1軒のアルベルゲ発見。通常は清潔度をチェックするが、1件しかないので、気にしてられない。一応、予約の電話をするが「早いモノ順」とのこと。
ううむ・・・早く着くしかない。
そんなわけで、サモスからは早足で歩いてなんとかアルベルゲに泊まることができた。
ああ、でも、ここのシャワーったらナイ。
んー。今日はシャワーナシ。クサイ子ちゃんでいいことにする。
しかもこのアルベルゲにはペリグリーノの必須アイテムwifiがなかった。ふと、窓の外を見るとすぐ近くにバルがある。そこからの電波を傍受するしかない。→後半に続く。
▶︎ハードルその3:通信網の確保
プリペイドsimの期限が一ヶ月だったので、ちょうどエクスパイアになってしまった。(それはそれで感慨深い)
通信網がないとなると、ダナちゃんとのやりとり、ホテルへの予約、アルベルゲの位置確認など、ビビリな私にはありえない。
幸いにも、こんな田舎なのに電話屋さん発見。
■Movisterにいってみた。
店員:45ユーロになります。
?え?そんなに高い訳ないよ。他にはない?なんだか解ってない感じ。普通のスマホを売ろうとしている。・・ありがとう。他、行くね。
■Yoigo:
あるけど、あんたのiPhone5はカードの大きさが違うよね。
?え?simカッターで切るんじゃないの?・・・
■Orange:
うん、あるよ!
あ、僕、英語はちょっとしか出来ないんだ。ちょっとまってて。
と、翻訳サイトをサッサと立ち上げで、お互いにスペイン語と英語で翻訳し合う。完璧に意思疎通が果たせて、しかも、サッサとsimカッターを持ちだし、作業時間五分。
お兄さん、仕事できるじゃん。
はー、助かりました。
▶︎ハードルその4:ホテルへの早朝チェックイン
計算では早朝の4時のバスに乗り、3時間かけて移動するので、7時にはホテルにつく。ただ、チェックインが7時のホテルなんかあるわけない。んが、なぜかあった。
一応、予約したものの、不安に思い、念の為、電話。
私:明日の朝7:30頃に着くんですが、チェックインはどうしたらいいですか?
ホテル:そんなに早い時間はまだ寝てるよ。
私:(む?)booking.comには受付は7:00からって書いてますよね?
ホテル:んー、でも、寝てるんだよね。
私:(むむむ。)でも、レギュレーションには7:00からって書いてますよ。
ホテル:んー、でも、誰も起きてないと思うよ。
私:そうですか。では、booking.comに確認します。
ホテル:…解った。わかったよ。着いたら電話して。開けに行くから。
よし、これでオッケー。
思いつくハードルを片付けたので、Wifiを傍受情報をゲットする為にバルへ。
ワインを飲んでいたら、私のすぐ後ろで楽器演奏が始まった。
わー!ステキー!と見てたら、
はい、君の楽器。
と、カスタネットのような打楽器を渡された。
夫にはいつも苦笑されるリズム感のなさ。でも、満面の笑みで渡されちゃってるし。ヘタでもいいか、と、教えてもらいながら、パカパカ叩く。
横笛、太鼓、カスタネット←私。
でしばらく演奏したら人だかりがしてきたー!
そのうちにスコットランドのパグパイプのような楽器を持ったおじさんもジョイン。

一通り盛り上がったら、今日はパーティなんだよ、君も行こう!と言われ、そのまま違うバルへ。
ボウズの人(nemoという名前の音楽家)と女性は夫婦で、なんと、この日が10年目の結婚記念日。そんな大事な日は、どうか家族水入らずで、、と言ったのだが、いいからいいから、と言って、ガリシア地域のタパスやワインをご馳走になってしまった。
その夫婦曰く、今日でもいいし、明日でもいいし、巡礼が終わってからでもいいし、次にここに来る時でもいいし、どうか自分の家に泊まって欲しい。
!
私、日本に来た外国人を泊めたことはもちろん、話しかけたこともほとんどない…。
私にはとてもできないことをされてしまい、お礼の表現さえ、まともにできない自分や日本で同じようにはできないことを悶々としながらも、まぁ、楽しかったからいいか!で就寝。
明日は早起きして、駅に向かわねば!